FAQ

よくあるご質問

マンションの売却で、多くの方が同じところでつまずきます。
ここでは代表的な5つの疑問に、公開データの分析結果と、
業界の内側で見てきた事実を基にお答えします。

数字の出どころについて

このページで示す価格の分析は、国土交通省が公開している実際の成約データを当社が集計・回帰分析したものです。不動産会社の感覚や、売り出し中の希望価格ではありません。

対象は城南4区(目黒区・世田谷区・品川区・大田区)の中古マンション、2005年から2026年までの成約74,887件です。分析と解釈を行ったのは当社であり、国土交通省が公表しているものではありません。

出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」(https://www.reinfolib.mlit.go.jp/)
「不動産価格(取引価格・成約価格)情報」(国土交通省)をもとに株式会社LUMIAS作成

Question 01

中古マンションの価格は、
築年数でどのくらい下がりますか?

築年数が1年古くなるごとに、㎡単価はおよそ1.9%下がります。ただし、この数字だけを見て判断すると、大きく読み違えます。

城南4区の成約74,887件を分析すると、築年数による下落ははっきり確認できます。件数が多いぶん数字は安定していて、偶然や誤差では説明できない水準です。

しかし同じ期間、市場そのものが年4.3%のペースで上昇してきました。この二つを並べると、見えてくる景色が変わります。

要因㎡単価への影響(年あたり)
築年数が1年経つこと−1.9%
市況の上昇(2005〜2026年の平均)+4.3%
差し引き+2.4%

つまりこの20年の城南エリアでは、「築年数が経ったから価格が下がる」という現象は、実際には起きていません。10年前に購入したマンションが、築10年ぶん古くなってなお値上がりしている。その理由がここにあります。

実際、城南4区の平均㎡単価は2005年の69万円から、2025年には117万円になりました。築年数による目減りを、市況の上昇が上回り続けてきた20年だったということです。

ただし、下がり方は築年数によって違う

ここまでの「年1.9%」は、すべての築年数をならした平均です。実際には一定のペースで下がっているわけではありません。築年数の帯ごとに分けて計算すると、下落率はこれだけ違います。

築年数その10年間の下落率新築時からの累計
新築〜築10年−29.1%−29.1%
築10〜20年−13.6%−38.8%
築20〜30年−19.7%−50.8%
築30〜40年−16.0%−58.7%
築40〜50年−10.1%−62.9%

※ 公開データの建築年(竣工年)を基準に計算しています。実際には多少の誤差が生じる可能性があります。

最も急に下がるのは新築直後で、古くなるほど緩やかになります。新築価格には販売にかかる費用が含まれており、それが数年で剥がれ落ちるためだと考えられます。逆に築40年を過ぎると、値下がりのペースは新築直後の3分の1以下になります。

「早く売らないと下がる」は本当か

売却の相談をすると、「築年数が経つ前に早く売ったほうがいい」と言われることがあります。これは、お持ちの物件の築年数によって当たっていたり外れていたりします。

築浅の物件であれば、年3%を超えるペースで下がっているのは事実です。一方築20年を過ぎた物件では、下落は年1〜2%程度。市況の上昇(過去20年の平均で年4.3%)を下回っており、この局面では急ぐ根拠になりません。築年数を一律に「早く売る理由」として使う説明は成立しません。

もちろん、市況が今後も上がり続ける保証はありません。だからこそ判断すべきは「築年数が経つから」ではなく、「あなたの物件が今どの築年数にあり、市況をどう読むか」です。前者は誰にでも言えますが、後者には根拠が要ります。査定を受けるときは、そこを説明してもらってください。

分析の前提

城南4区(目黒区・世田谷区・品川区・大田区)の中古マンション成約74,887件(2005〜2026年)を対象に、取引時期と専有面積の影響を取り除いたうえで築年数の効果を推定しています。地域を163に細かく分けて比べても数値はほとんど変わらなかったため、特定の地域の偏りによるものではありません。ただしタワーマンションのように性格の異なる物件には、そのまま当てはまらない場合があります。

Question 02

不動産会社の査定価格が、
会社によって数百万円も違うのはなぜですか?

「査定価格」が「売れる価格」とは限らないからです。
多くの場合それは、売却の依頼を受けるための提示額という性格を持っています。

売主の多くは複数社に査定を依頼し、最も高い金額を提示した会社に売却を任せる傾向があります。すると各社には「高く出したほうが選ばれる」という力が働きます。これは個々の会社の善悪の問題ではなく、業界の構造です。

私は前職で、住宅不動産業界を専門とする経営コンサルタントとして、100社を超える仲介会社の内側を見てきました。そこで繰り返し目にしたのは、査定価格の根拠が驚くほど曖昧なまま媒介契約が結ばれ、数ヶ月後に価格を下げていく光景でした。

根拠のある査定かを見分ける4つの視点

  • 1 根拠となる資料が添えられているか 口頭で金額だけを告げられた場合、その数字は検証できません。何を根拠にその価格になったのかが資料で示されているかを確認してください。
  • 2 成約事例か、売出事例か ここが最も重要です。売出事例は「まだ売れていない価格」であり、その価格で成立した証拠ではありません。売出事例だけを並べた査定書は、実態より高く見えます。
  • 3 価格が一点ではなく、幅で示されているか 相場には必ず幅があります。「6,800万円」と一点で言い切る査定より、「6,500万〜7,000万、その理由は」と説明する査定のほうが誠実です。
  • 4 不動産会社(販売戦略や手法)によっても実売価格に差が出ます 提示価格が市場より高いこと自体は問題ではありません。ただしその高い販売価格を実現する為の戦略が必要になります。どのターゲットに、どんな集客手法で、どんなストーリーで営業するかなど、その価格で販売できる根拠も同時に説明して頂きましょう。

高い査定額を提示されたとき、うれしくなるのは当然です。ただ、その金額を出した理由を説明できない会社は、その金額で売れなかった理由も説明できません。比べるべきは金額ではなく、金額の後ろにある根拠です。

Question 03

ポータルサイトに掲載すれば、
それで売れますか?

掲載するだけでは足りません。同じ物件でも、依頼する会社によって買主に届く情報の質は大きく変わります。

私は前職で、不動産ポータルサイトの事業企画に10年間携わってきました。サイトを「使う側」ではなく「設計する側」にいた経験から申し上げると、どう掲載しているかで反響の数は大きく変わります。

見落とされがちですが、掲載原稿を作るのは不動産会社です。売主ではありません。次の要素はすべて、依頼した会社の判断で決まります。

買主の目に触れるもの

  • 写真の枚数と、撮影の方法
  • どの部屋を、どの角度から見せるか
  • 紹介文で何を伝え、何を省くか

見えないが効いているもの

  • 掲載を開始するタイミング
  • 掲載情報の網羅性と正確さ
  • 反響を見ながら原稿を直すかどうか

写真が3枚の物件と、20枚あって各部屋の様子がわかる物件。同じ価格なら、買主がどちらに問い合わせるかは考えるまでもありません。それでも前者は珍しくないのが実情です。

つまり、売主が会社を選んだ時点で、買主に届く情報の質は決まっています。「掲載しておきます」で終わる会社なのか、どう見せるかを設計する会社なのか。ここは契約前に確認できます。過去にどんな原稿を作ってきたのかを見せてもらってください。

Question 04

不動産の一括査定サイトは、
使った方がいいですか?

先に立場を明らかにしておきます。当社も一括査定サイトを利用しています。そのうえでお答えします。

一括査定サイトは、売主が入力した情報を、不動産会社が費用を払って受け取る仕組みです。売主が無料で使えるのは、その費用を不動産会社が負担しているからです。

登録した直後に複数社から一斉に電話がかかってくるのは、この構造によるものです。各社は費用を払ってその情報を受け取っており、他社より先に連絡しようとします。仕組みを知っていれば身構えずに済みますが、知らないと驚くことになります。

役に立つ場面

  • 複数社の見立てを一度に比べられる
  • おおよその相場観をつかめる
  • 会社ごとの説明の質を見比べられる

気をつける点

  • 短期間に営業の連絡が集中する
  • 会社間の高値査定競争を招きやすい
  • 金額だけで比べると判断を誤る

使うなら、この3つを

  • 1 査定の根拠資料を必ず求める Q2でお伝えしたとおりです。金額だけの回答は、比較の材料になりません。
  • 2 最高額を出した会社を、無条件では選ばない 最も高い金額が最も信頼できる見立てとは限りません。その金額の理由を説明できるかどうかで判断してください。
  • 3 連絡手段をメールに指定する 備考欄に「連絡はメールでお願いします」と書くだけで、負担はかなり減ります。文面で届けば、各社の説明の質も比べやすくなります。

一括査定は、使い方さえ間違えなければ有効な手段です。ただし「一番高く査定した会社が、一番高く売ってくれる会社」ではないことだけは、覚えておいてください。

Question 05

同じエリアなら、広い部屋のほうが
㎡単価は高くなりますか?

なりません。「広い部屋ほど㎡単価が高い」という関係は、データからは出てきませんでした。それどころか、区によっては広い部屋のほうが安くなっています。

城南4区の成約データを、区ごとに分けて調べた結果です。立地の条件をそろえたうえで、20㎡広い部屋の㎡単価がどれだけ違うかを示しています。

区20㎡広い場合の㎡単価向き
目黒区+2.0%広いほうが高い
世田谷区+1.6%広いほうが高い
品川区−0.7%広いほうが安い
大田区−4.4%広いほうが安い

「広いから㎡単価も高い」は成立しない

目黒区と世田谷区では広いほうが高く、品川区と大田区では広いほうが安い。隣り合う4つの区で、結果が正反対に分かれました。

もし「広いほど㎡単価が高い」という法則が本当にあるなら、こんなふうにバラバラにはなりません。つまり部屋の広さから㎡単価を説明することはできない、ということです。

差の大きさ自体も、たいしたものではありません。最も差が出た大田区でも20㎡で4.4%。築年数に置き換えれば、わずか2年ぶんほどの違いです。

整理すると、こうなります。総額は面積に比例します。しかし㎡単価は、面積では変わりません。80㎡の部屋は60㎡の部屋よりも総額では高く売れますが、1㎡あたりの単価が上乗せされるわけではない、ということです。

ここを取り違えると、価格設定で失敗します。「うちは広いから、㎡単価も強気でいける」という考えで売り出すと、買主から見れば単に割高な物件になり、問い合わせが入らないまま時間だけが過ぎていきます。

補足

これは「広さに価値がない」という意味ではありません。総額での価値は面積に比例して上がります。また同じ建物内でも、階数や向き、リフォームの有無によって単価は変わります(これらは国土交通省の公開データには含まれないため、今回の分析では扱っていません)。ここで申し上げているのは、㎡単価を決める要因として面積を持ち出すことはできない、という一点です。

データで言えることと、
言えないこと。

ここでお答えした内容には、断定できることと、できないことが混ざっています。築年数や市況の影響は、数字がはっきりしているので言い切りました。一方で「広さは㎡単価を決めない」は、区によって結果がバラバラだったという事実にもとづくもので、それ以上でも以下でもありません。

不動産の売却では、根拠のない断定がよく飛び交います。「今が売り時です」「この価格で売れます」。言い切られると安心しますが、その安心には根拠がないことがあります。

LUMIASは、言えることと言えないことを分けてお伝えします。分からないことは分からないと申し上げます。そのうえで、分かっていることについては根拠を添えて説明します。それが、取引の規模に見合った最低限のサービス品質だと考えているからです。

一方で、データはあくまで過去事例であり、他の物件の事例の集積でしかありません。これから売り出すあなたの物件は1つしかない為、様々な要素が重なり合います。データを踏まえた上で、どのような販売戦略を組むか?が最も大事になります。

あなたの物件の価値を、正確に知りたい方へ。

ここに書ききれなかったご質問にも、同じ姿勢でお答えします。
※現在は開業準備中のため、ご依頼・お問い合わせの受付を停止しております(開業予定:2026年10月)。

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